不倫につきまとうリスクとは?正しく理解しておこう

妻子持ちの彼

不倫(不貞行為)にはリスクを伴う、ということに異論がある人はいないでしょう。

ですが、たとえば不倫相手の配偶者にバレれば損害賠償を請求される恐れがある、ということはわかっていても、それ以外にどんなリスクが潜んでいるのか、全容を捉えきれていない人も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、不倫に伴うリスクについて、詳しく解説していきたいと思います。

不倫そのものと、関係を続けていくことに伴うリスク

まずは、不倫そのものと、そうした関係を続けていく上で考えなければならないリスクについて見ていきましょう。

そもそも不倫は永遠には続かない

たとえば片方ないし両方の配偶者など、周囲に発覚していないというだけで、不倫関係にある男女は世の中には一定数存在します。

バレることさえなければ、不倫関係にある2人の関係が良好である限り、周囲も含めて楽しく、平穏な生活を送ることもできるでしょう。

ですが、法律婚をしている、もしくは内縁関係にある男女と違い、不倫関係にある男女は法的な保護を受けることができません。

結婚している側には家庭に重きを置きたいと感じる時も出てくるでしょうし、不倫するにしても別の異性に魅力を感じて離れていくこともあるでしょう。

また、独身である側も、堂々と交際できてゆくゆくは結婚できる相手が現れれば、そちらに気持ちが流れて不倫関係の解消を望む日が来るかもしれません。

ですが互いにそのことを止めたり、咎めたりすることはできません。

そうしてひとたび双方の関係がすれ違い、どちらかが一方的であれ関係の解消を願えば、いつでも終了させられる関係なのです。

またそれについて納得ができなかったとしても、異議申し立て、精神的な苦痛に対する慰謝料請求を行おうとしても認められません。

他にも、不倫している2人の配偶者などにバレてしまえば、ほとんどのケースでその配偶者は不倫関係の解消を望み、動くことでしょう。

そもそも夫婦間には貞操義務があり、不倫とはそれに反する行為ですから当然ですよね。

そうとなれば、配偶者からのプレッシャーといった心理的負担も生じ、2人の関係にも影響を及ぼすでしょう。

法的にも守られないどころか法に触れる行為でもある不倫とは、双方の関係継続の意志や利害が一致していて、初めて成り立つものなのです。

子どもの有無に限らず長年連れ添っている婚姻・内縁関係にある夫婦と違い、不倫をしている男女の繋がりは弱く、関係を永遠に続けるのは難しいものなのです。

不倫はバレていない、と思っているのは本人だけ

慰謝料を支払うことになっても構わない、それくらい離婚の意志・決意が固い、という場合を除き、不倫関係は特に配偶者にバレることを恐れ、密かに続けられるものでしょう。

ですが、本人たちは隠れて関係を続けているつもりでも、案外周囲には察知されているものだったりします。

たとえば同じ職場にいて、片方が同僚に「ここだけの話」として喋ってしまったり、休暇を一緒に取るようなことを何度もすれば怪しまれる・バレるのはある種当然で、迂闊だったとも言えますよね。

しかし、ここまであからさまな行動に出なくても、たとえば仕事中の接し方や距離感ひとつ取っても、意外とその変化に敏感に気づく人というのはいるものなのです。

そしてそこで芽生えた「違和感」をきっかけに、ついに不倫関係が露呈してしまうということも大いにありうるのです。1人にバレれば、瞬く間に社内に広がってしまうことでしょう。

不倫はどうしても道徳・倫理に反する行為として捉える人が多いもの。同じ職場内の2人がそうした関係になってしまったとなれば、会社によっては、左遷や降格、退職など、何らかの処分などが下される恐れもあります。

また、職場外の不倫であっても、たとえば知人などに見られてしまい、配偶者の知るところとなってしまうケースもあります。

何より、共に生活している配偶者であれば、不倫によって生まれる生活リズムの変化(休日出勤や残業の増加)などを察知され、経過を観察していく中で不倫が明るみに出てしまうこともあります。

何はともあれ、完璧に隠し通すということは実は結構難しいものなのです。

交際費の負担

会社員の中でも高収入を得ている人や経営者などを除いた一般的な会社員にとっては、共働き家庭であっても自分の自由に使える小遣いが少ない、という人も多いことでしょう。

そんな人にとって、結婚している側にとって、家庭生活にかかる費用とあわせて不倫関係にかかる交際費をも負担するのは、人によっては苦しいと感じるものです。

自分名義の預貯金などを切り崩すということもあり得るかもしれませんが、あくまでこれも一時凌ぎの対策。

銀行や消費者金融から借金をしたり、奥さんやお子さん名義の預貯金などにも手を出すようになってしまえば、やはり不倫発覚の原因となってしまいかねません。

無理な支出もまた、不倫が破綻する要因となってしまうことがあるのです。

妊娠のリスク

2人がどのような関係であったとしても、男女が性交渉をすれば、当然ですが女性が妊娠する可能性が出てきます。

不倫関係が長ければそれだけ可能性が高まると言えますし、愛する人の子が欲しい、彼が離婚する可能性に賭けてなど、女性の側が妊娠を望んで行為に及ぶケースもあるでしょう。

そうして女性が実際に妊娠し、出産することを望んだ場合、生まれてくる子どもの親を特定する流れになったり子の認知の問題などから、不倫が明るみに出るということもあります。

なお、母親となる女性の側が独身である場合、不倫相手である父親に子の認知を求めない場合もあります。ただ、このようなケースでは父親側が養育費に相当する金額を支払うなどの条件を課すことで解決する、ということもあるようです。

不倫が発覚すると失うものは多い

ここまでは主に不倫関係を続けていく上でのリスクについて見てきました。

ここからは、不倫が発覚すると失ってしまうものについて見ていきましょう。

夫婦・家族関係の崩壊

不倫が発覚した際、失うものの代表格といえば、まずは婚姻している側の夫婦、家庭関係でしょう。

不倫という背信行為がバレた以上、結婚していた側は当然これまで通りの夫婦関係を続けていくことはできません。

不倫していた本人が離婚を望んでいる場合もあるかもしれませんが、本人が望んでいなくても配偶者が望めば、裁判によって請求されることもあります。

なお、基本的には離婚になるかならないかは、不倫された側、つまり裏切られた被害者側の判断に委ねられることになります。

結果として離婚に至った場合、夫婦双方がこれまで築いてきた家庭を失うことになります。2人の間に子どもがいれば夫婦どちらかがその子を引き取ることになり、もう一方はこれまで通り一緒に暮らせなくなります。

また、不倫が発覚したとしても離婚に至らないケースも中にはあります。お子さんのことを考えてであったり、あるいは離婚することで不倫相手の思う通りにしたくないといった思いからなど、その背景にはさまざまな事情や理由があるでしょう。

このように、不倫が発覚すれば必ず夫婦が離婚するとは限らず、また夫婦が別れたとしても、後述する離婚によるさまざまな負担などから、不倫関係にある2人の間柄もこれまで通り行かなくなります。

それが原因で、離婚したのと合わせて不倫関係も解消される可能性がある、ということを忘れずにいてください。

経済的な負担

不倫は夫婦関係を破綻させる立派な原因として認められることが多く、原因を作った側(有責配偶者)として多額の慰謝料を請求されることは免れ得ません。

また、離婚に至らなかったとしても、離婚した場合よりも金額は下がりますが、不倫相手に慰謝料請求がいくことになるでしょう。

こうした慰謝料はけして少ない金額ではないため、経済的に余裕がない人にとってはかなり重い負担となります。

とはいえ支払いの義務は免れられないものですので、たとえ分割払いになったとしても払い続けなければならず、不倫発覚から数年にわたって負担しなければならないといったケースも起こりうるのです。

そして夫婦間に子どもがいれば、養育費の負担という問題も出てきます。お子さんが小さければそれだけ長く(成人するまでなど)払い続けなければならず、こちらも離婚後の生活を圧迫する要因となるでしょう。

さらに、住宅ローンを返済中で、その残債が大きく離婚に当たって住宅を売却処分できないというケースでは、離婚後も住宅ローンの支払いを続けなければならなくなります。

離婚に至った場合の経済的負担は個々のケースでさまざまですが、上記の条件に全て当てはまった場合、かなり離婚後の生活が苦しくなることが予想されます。

離婚すれば自由な生活が得られる、と考える人は少なくないかもしれませんが、その代償はとても大きなものなのです。

仕事面に出る影響

不倫関係にある2人が同じ職場で働いている場合、会社にバレてしまうと就労上における問題行為として捉えられ、2人に対して人事異動や配置転換、降格などの処分が下されることもあります。

上司部下の関係にある2人の場合は上手側の労務管理能力を問われるケースも。また、取引先や顧客といった間柄での不倫の場合は会社の信用を損なうとして問題になることもあります。

また、会社によっては不倫の当事者のどちらかあるいは双方に対し、自主的に退職することを求められるケースも稀にですが存在します。

その他、職場に不倫が伝わることで、個人としての信用が失墜し、特段の処分が会社側から下されずとも職場にいづらくなることもあるでしょう。規模の小さい会社となれば全社的に不倫の事実が伝わりやすく、より影響を受けやすくなることが考えられます。

どうしても日本においては不倫というのは、歴史ある会社であるほどマイナスのイメージを持たれてしまうもの。

会社の事業内容や規模、不倫の状況など、個々の事情によっても異なる部分はありますが、不倫バレすると大なり小なり仕事にも影響が出る可能性が高いと考えておいた方が良いでしょう。

どちらかが不倫関係の解消を望まない時はトラブルに発展しやすい

不倫関係にある2人については、法律婚ないし内縁関係にある2人の場合とは異なり、慰謝料請求権を始めとした法律的な保護を受けることが原則としてできません。

ただし、どちらかが別れたいと思っていてももう一方が不倫関係の解消を拒否するなど、別れに際して揉めることはありますよね。

特に、結婚している側が現在とのパートナーとの離婚、そして不倫関係にある相手との結婚を約束していたり、そうして長きにわたって不倫関係が続いてきたりといった事情があると、別れに納得がいかないと思うのも自然な感情でしょう。

こうしたトラブルが起きてしまうと、配偶者の方は勘付いていなかったのに不倫が家庭を巻き込んだ問題に発展してしまうといったケースも起こり得ます。

また、配偶者にバレていても職場にはまだバレていない場合、仕事に出る影響について考慮しなければならなくなるケースも考えられます。

このように、法律上は慰謝料を支払う必要はなくても、家族関係や仕事関係への影響を鑑みて、不倫関係を解消するためにいわゆる手切れ金を渡すことになる場合も少なからずあるのです。

まとめ

ここまで、不倫関係を続けていく中で、そして不倫関係が周囲に発覚した際に追うことになるリスクについて紹介してきました。

2人の関係が円満であるうちは楽しいことも多いのかもしれませんが、やはり不倫関係は永遠に続くものではありません。

関係が周囲に発覚してしまったり2人の関係が拗れてしまった時に負わなければならないリスクからは、いつまでも目を背けることはできない、ということは理解しておいた方が良いでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました